ども、税理士のにおむらです。
この間、相続税の研修を受けてきました。「新潟県税理士協同組合」というところが主催している研修でして、近年毎年この時期に同じ講師の先生をお招きして講義してもらってます。
この先生のシリーズが、業界では大人気なんですわ!ソッコーで申し込みしないと、すぐ満席になってしまう。全3回のシリーズで、参加費27,000円というなかなかのお値段なので、開業したばかりのワタクシは、さすがに一瞬躊躇しましたよ。いや、でもこれは投資だ……ッ!と思い、奮って参加してまいりました。いや~、今回も勉強になったなった。しかし、やはり奥が深い……相続税!
我々税理士は、会社とか個人事業主のお客様と顧問契約を結んで、末永く顧問先の会計とか税務を見ていくってのが基幹業務なのですが、相続の場合は基本、一見のお客様との一発勝負。顧問先の社長さんの相続が起こって申告をするってパターンも中にはありますがな。
顧問をさせてもらっているようなところですと、ある程度時間が経てばお互いの信頼関係が醸造されてくるものですが(もちろんこちらがきちんとした仕事をしてるって前提はありますがな)、相続の場合は、見ず知らずの税理士に頼むことも多い。当然最初はちょいと警戒されます。そりゃそうだ。でも、相続税の申告作業は長丁場になるので、何度も何度も顔を合わせてお客様とお話している間に、少しずつあちらの警戒感がほどけて、色んな話をしてくださるようになってくる。それが、非常に嬉しいことなのですな。
先日も相続のお仕事で、お客様のおうちに行ってきたのですが、通帳を預かるだけのつもりが、ついつい長話になっちまいました。って言っても殆どワタクシがお話聞いているだけなんですけどね。自分自身の話をするのがあんまり得意じゃないのですが(自分の話だと、ついついおちゃらけてしまいますからな)、人の話を聞いてるのは大好き。亡くなった方の思い出話をしてもらうときもあるし、ご自身の昔話を聞かせてもらうこともある。もはや税の申告とあんまり関係ないじゃねぇかという感もある(でも実はそんなこともない)。
税の申告に関しては、こちらがプロの立場になる訳ですが、長い人生経験においては、お客様のほうが先輩ですからな。そりゃ色んな人生のお話聞いてるのは楽しいです。
もちろん、ただ楽しくお話聞いてるだけで終わってはいけない。申し訳ないけれど、たまにはプライバシーに踏み込むような質問、例えば「ここから出てったお金はどこに行ってるんですか?」といった、むしろ「オマエが税務署かよ!」みたいな質問も、場合によってはしないといけない。ただただそれは、後から財産の計上漏れを指摘されて、お客様に不要なストレスを感じさせないためなのです。こちらはやるべき仕事をちゃんとやって、財産を相続されたお客様がなるべくスムーズに税の申告を終えていただくよう、サポートしなければいけないのです。
ま、相続に限らず、顧問契約結んでいるお客様に関しても、毎回一期一会のつもりで精一杯お仕事させてもらうってのが、大事なことですな。