今回のも、軽く青春。

こんにちは。2018年「世界で最もハンサムな顔」第1位に選出していただきました、ハワイ出身俳優のジェイソン・モモア、人呼んで「ワイルドを体現した男」です。好きな曲はもちろん「ゲット・ワイルド」!!

この度、関東信越税理士会主催「第30回学術研究討論会」が、無事終了致しました。
おや、今回はお堅い話ですか?いえいえ、もちろんそんな訳ありません。

良い子のキミは、覚えているか!?以前ワタクシがここで、「今度論文を書いて発表しないといけない」という話を書いていたことを!そこで言っていた「論文の発表会」ってやつが、まさにこの「学術研究討論会」のことなのであります。要は、発表会が無事に終わったよっていうお話なのであります!

我々が所属する「関東信越税理士会(我々は『本会』と呼ぶ)」は、毎年この論文発表会を開催しています。関東信越の中で、毎年3つの県が論文執筆・発表を担うのですが、今回の担当県が長野県、群馬県、そして新潟県!各県から3名の「研究員」が選出され、約1年間かけてテーマに沿った研究をし、論文を執筆し、発表を行う!!そして新潟県の研究員チームの1人が、不肖ワタクシだった訳であります!!!

前回の「学術研究討論会」で他県の研究員達と初顔合わせ&委嘱状の贈呈を受けたのが、ちょうど1年前。今年度の全体のテーマは「相続税」だったので、新潟県チームは「高齢化社会と相続税」をテーマとし、各自がさらに個別のテーマについて論文を書くことにしました。
ちなみにワタクシのテーマは、「信託」です。信託って、最近ちょいちょい耳にするけど、一体何なの?という方も多いと思います。
信託とは!一言でいうと、自分の財産を他の人に託して、管理とか運用をお任せすることです。高齢化が進む中で、お年寄りの財産の管理とか次世代への引き継ぎも、もっと臨機応変に、柔軟にできたら良いよねっていう社会のニーズが前々からあったのですが、信託を使うと、従来の法律制度の枠を超えて柔軟な財産の管理や引き継ぎができるよねっちゅうことで、しばらく前から信託にスポットライトは当たっていたのです。ただ、信託をやった場合の税金の取り扱いに関しては、まだ色々と課題があるよねということで、その辺を今回の論文で書いたのでした。

って、今日は小難しい話をしたい訳ではないのであります。
ともかく、上で書いたような背景があって、我ら新潟県チームが「高齢化社会と相続税」のテーマで論文を何とか書き終えたのが、8月とか9月のことでした。各自が頑張って慣れない論文を書いて、各自が力を尽くしたのですが、果たして高いレベルの良い論文が書けたのかというと、残念ながらとてもじゃないが、そうとは言えないのだろうなということも、よ~~~く分かっていた。だからせめて、その分発表を頑張ろうよというということで、休日にちょいちょい集まってプランを練り、色々準備をしました。

論文発表をどのようにするかというと、普通に論文の要旨を粛々と発表するという超正統派なスタイルもあれば、討論会や学校の授業を模して発表するスタイルもあるし、寸劇(短い劇)を入れることもあります。新潟県チームとしては、淡々と真面目に発表するよりは、やっぱり観ていただく方に楽しんでもらいたいよねということで、各自の発表の導入部分に寸劇を入れることにしました。寸劇→1人目の発表→寸劇→2人目の発表→寸劇→3人目(ワタクシ)の発表、流れとしてはこのようになります。

寸劇は毎回、お年寄りと税理士の会話というかたちにしました。今回はワタクシ以外の研究員2名が男性だったため、ドンキでおじいさんとおばあさんのカツラを購入。それに、お年寄りっぽく見える洋服やら杖やらを用意しました。寸劇をやりたいと言い出した手前もあったので、ワタクシが台本を書き、他の2人にもセリフを覚えてもらうことに。ちょっと長回しのセリフも入れてしまい、当初「えっ、これを覚えるの……?」と一瞬ビビられるも、「ま、(税理士試験のときの)理論の暗記に比べたらなんてことないよねww」という結論に。

舞台上で寸劇が行われている間に、次の発表者が壇上に上がってスタンバイ。寸劇の最後に発表者の紹介がされ、発表者による論文発表となります。発表の持ち時間は1人15分で、発表自体は完全フリースタイル。壇上のスクリーンに、パワーポイントのスライドが映し出されているので、パワポを操作しながら発表します。発表が終わるとその発表者はそのまま壇上に残り、袖で控えていたもう1人がお年寄り役として壇上に上がって次の寸劇を開始、その間に次の発表者が壇上に上がってスタンバイ……こんな感じで、人がぐるぐる入れ替わる構成になりました。

せっかく多くの税理士さん達に観に来ていただくのだから、楽しい要素も入れたいよねということで、劇中にちょいちょいお笑い要素を混ぜ込みました。笑ってもらうためには、寸劇自体をしっかりやらないと!ということで、研究員の仲間(本来はあっちが目上)に対し「テンポが悪い」「そのセリフはもっとシリアスに言ってください」と、いっちょまえにダメ出ししまくる監督・脚本・演出担当ニオムラ。そしてなぜか、寸劇ばっかり一生懸命練習する新潟県チーム。オイ、本編の発表のほうは大丈夫なのか!!??ま、本編のほうは完全に個人戦の世界なので、そっちは個々に練習しましょうということになりました。

正直、ネタは本番ではウケるかどうか分かりません。ホント、全く同じネタをやっても、その日の会場の温度次第で、ウケるときと滑るときと、びっくりするくらい違うものなのであります。でも、たとえ滑ったとしても、決してそこで萎縮してはいけないのであります!!そこで萎縮してテンション下がるほうがカッコ悪い。寸劇だけじゃなく本編の発表についても、テンション上げて、たとえ滑ってもとにかく自信を持って、堂々とやりきろうぜ!なんだか熱い感じになっちゃってますが、そもかくそんなことを言い合いながら、遂に本番の日を迎えました。会場は、高崎市の「高崎シティギャラリー」!

当日、3県の中で新潟県がトップバッターです。長野県のような粛々とした正統派スタイルでもなく、群馬県のように凝った演出がある訳でもなく、各個人のパフォーマンスに全てが懸かっている新潟県チームの緊張はMAXに!本番前、各自が離れて宙を見ながらブツブツつぶやきイメトレしている様子が尋常でなかったと、後で他県の研究員から言われたくらいであります。開会宣言、えらい人の挨拶が終わり、いよいよ新潟県の出番!!

発表が始まりました。寸劇、1人目の発表、寸劇、2人目の発表、寸劇、3人目の発表……奇跡です。誰もセリフを飛ばすことなく、笑いをとりたい場面でしっかり笑いをとり、ほぼ完璧なかたちで寸劇を終えることができました。そして肝心の各自の発表部分も、誰1人として原稿を見ることなく、最後まで自分の言葉で発表をやり遂げたのであります。最後、3人での挨拶が終わって舞台の袖にはけ、思わずえらい先生とがっしり握手!終わったときの、あの安堵感と達成感と言ったら……

この日、新潟県からも多くの税理士さん達が応援に来てくださりました。寸劇の中で、壇上の研究員と観客席とのコール&レスポンスのようなことをする場面があったのですが、皆さん非常に良いノリでレスポンスしてくださり、あれで会場がワッとあったかくなったような気がします。終わったあとも皆さん口々に、よく頑張ったね、良かったよと言ってくださって、本当に嬉しかったです。新潟県の先生がた、温かい声援、本当にありがとうございました。やっぱり故郷から遠く離れた場所(って言っても高崎だけど)で地元の見慣れた顔を見ると、安心しますな。

そしてあの日、新潟県だけではなく、他県の税理士さん達からも、たくさん声をかけていただいたのであります!女子トイレの中で(!)、懇親会の受付で、会場で……たくさんの先生がたが、「新潟県良かったよ」「面白かった」「全員一切原稿見ないで発表したの凄いね」と声をかけてくださった。色々頑張って準備して、本当に良かった。本当にありがとうございました。

この半年間、ず~~っとしんどかったのであります。これはワタクシだけじゃなく、研究員の皆さん同じ気持ちだったでしょう。まず慣れない論文を書くために膨大な時間を費やし、論文を書いたら書いたで、えらい先生方から色々とダメ出しされる。論文ができたら今度は発表の準備に時間をとられるし、定期的に会議やらリハーサルやらも開催される。長い目で見れば、研究で得た知識が確実に自分のためになると分かっていても、目先の事務所経営のことだけ考えれば、間違いなく損失です。だって、本来は事務所の業務とか営業活動に割けられたであろう多くの時間を、この学術論文のために割かねばならなかったのですから。

でも、発表会の少し前、飲み会の席で、とあるえらい先生が言ってくださったのです。「研究員やってと言われても、みんな嫌がるよね。引き受けたからってお金になる訳じゃないし、膨大な時間をとられるし、普通みんな断るよね。でもキミ達はあえてそれを引き受けた。それだけで、賞賛に値することなんだよ」と。

考えてみれば、アラフォーの大人がこんな風に、お金にならないことのために必死こいて頑張る機会って、意外とあんまり無いんですな。若かりし頃、例えば学生時代に、部活の大会とかコンクールのために頑張って練習したり、文化祭や体育祭のために頑張って準備したり、そういうことは多くの人が経験あると思います。

大人になってもみんなで力を合わせて頑張る機会自体は、多々あるとは思うのです。例えば、「うちの店の売上成績をトップにしたい!」とか、「〇〇プロジェクト(〇〇のイベント)を、頑張って成功させよう!」とか。でもそれってよく考えると、大半がビジネスの中での話、つまりやらしい言い方だが、最終的にはお金とか会社の利益がゴールになっているんですな。もちろんそれは決して悪いことではないのでありますが。
学生の頃って、お金とは別次元のゴールを目指して必死こいて頑張ることに対して、何の疑問も感じなかった。それが社会人になり、ましてや自営などするようになると、「お金にならないこと」に対して次第に背を向けるようになっていってしまう。

もちろん、特に我々税理士は、お金と時間の関係に対してシビアでなければいけないと思う。でも、ときとして、ビジネスとは別次元のゴールを目指して頑張ったその先に、思わぬ喜びとか達成感が待っていることもある。
学生時代、私たちは部活で、大会やコンクール目指し必死に頑張りました。あの頃目指していたゴールがお金とは別次元のものであったからこそ、あの時代を青春時代と言えるのであれば、

今回のも、軽く青春だったな~。
そう言っちゃっても良いのかもしれません。
しんどかったけど、でも今は、本当にやって良かったと思います。本当に良い経験をさせていただきました。

最後に、同じ新潟県チームで頑張ったT先生・Y先生はじめ、厳しくも温かいご指導をいただいた本会・県連調査研究部の先生がた、本会事務局の皆さん。高崎まで来てくださった新潟県の先生がた。そして一緒に頑張った他県の研究員の先生がた。このような機会を与えていただき、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

そういえば、新潟県チームの発表が終わった後、各自が知り合いに挨拶に行ったり控室でくつろいだりとばらけていたのですが、たまたまワタクシが一人で控室にいたとき、事務局の方が、今度の会報に載せる各研究員の顔写真を撮りに来られました。「(寸劇のときの)おばあさんの恰好で撮っても良いですか(・∀・)?」と訊いたら、構わないとのことだったので、既に出番が終わっていたにも関わらず、わざわざもう一度おばあさんの扮装をして写真を撮ったのですが、後で別の研究員に訊いたところ、彼らはそのままのいでたち(つまり扮装なし)で撮ってもらったとのことでした……真面目な会報に、ワタクシ1人だけふざけた感じで掲載されてしまうことが確定し、今から軽く戦慄しています。

ま、そんなちょっとした事件はありつつも、とにかく自分的に大きなイベントが何とか無事に終了したので、しばらくはのんびりしますかな……と言ってたら、もう年末調整の時期つまり繁忙期がまた始まるではないですか!!年末まであと約1ヶ月、また慌ただしい日々が続きそうですが、しっかり乗り切っていきたいと思います。